【第63回 気象予報士試験 専門知識】問1 地上気象観測の大気現象をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第63回気象予報士試験 専門知識 問1を解説します!

この問題は、気象庁が地上気象観測で定義している霧・もや・地ふぶき・凍雨・霜などの大気現象について、正しい説明を選ぶ問題です。

この問題で重要なポイント

  • 霧ともやは、水平視程で区別する
  • 地ふぶきは、降雪中でなくても発生する
  • 凍雨は「凍った雨粒が降る」現象
  • 過冷却の雨滴が地物に当たって凍るものは、着氷性の雨・雨氷に近い
  • 霜は、空気中の水蒸気が地物表面に昇華してできる

■ 問題文

気象庁が地上気象観測において定義している大気現象について述べた次の文(a)〜(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

(a)霧やもやは、微小な水滴や湿った微粒子が大気中に浮遊する現象で、水平視程が1km未満の場合が霧、1km以上10km未満の場合がもやである。

(b)地ふぶきは、雪が降ると同時に、積もった雪が地上高く吹き上げられる現象である。

(c)過冷却の雨滴が降ってきて地面や地物に当たるとすぐに凍るものを凍雨という。

(d)地中に含まれる水分が氷の結晶となって地面に析出したものを、という。

(a) (b) (c) (d)

■ 解答

(a)正
(b)誤
(c)誤
(d)誤

■ 解き方の方針

この問題は、似た気象現象の定義をきちんと区別できるかがポイントです。

霧・もや:視程で判断
地ふぶき:降雪中でなくてもよい
凍雨:凍った粒が降る
着氷性の雨:液体で降って地物で凍る
霜:空気中の水蒸気が地物に付く

特に、凍雨着氷性の雨霜柱を混同しないことが重要です。

■ (a)霧ともやは水平視程で区別する

(a)は正しいです。

霧ともやは、どちらも微小な水滴や湿った微粒子が大気中に浮遊して、見通しが悪くなる現象です。

区別の基準になるのが水平視程です。

霧ともやの違い

水平視程 1km未満



水平視程 1km以上10km未満

もや

したがって、(a)はです。

■ (b)地ふぶきは、降雪中であることが必須ではない

(b)は誤りです。

地ふぶきは、地面に積もっている雪が風によって吹き上げられ、視程が悪くなる現象です。

ここで注意したいのは、雪が降っていることは必須条件ではないという点です。

ここがひっかけ!

問題文では「雪が降ると同時に」と書かれています。

しかし、地ふぶきは、すでに積もっている雪が強い風で舞い上がる現象なので、降雪がなくても起こります。

積雪

強い風

地ふぶき

したがって、(b)はです。

■ (c)過冷却の雨滴が地物で凍るものは、凍雨ではない

(c)は誤りです。

問題文では、過冷却の雨滴が降ってきて、地面や地物に当たるとすぐに凍るものを「凍雨」としています。

しかし、この説明は着氷性の雨雨氷に近い内容です。

凍雨は、雨滴が途中で凍って、氷の粒として地上に降ってくる現象です。

凍雨と着氷性の雨の違い

凍雨
= 空中ですでに凍った粒が降る

着氷性の雨
= 液体の過冷却雨滴が降り、地物に当たって凍る

つまり、ポイントは降ってくる時点で固体なのか、液体なのかです。

したがって、(c)はです。

■ (d)霜は地中の水分ではなく、空気中の水蒸気からできる

(d)は誤りです。

霜は、空気中の水蒸気が冷えた地面や地物の表面に触れ、氷の結晶として付着したものです。

つまり、霜のもとになるのは地中の水分ではなく、空気中の水蒸気です。

霜と霜柱を混同しない!

霜は、空気中の水蒸気が地物表面に氷の結晶として付く現象です。

一方、霜柱は、地中の水分が凍って地面を押し上げる現象です。

霜:空気中の水蒸気
霜柱:地中の水分

したがって、(d)はです。

■ 選択肢の確認表

記号 正誤 判断ポイント
(a) 霧は水平視程1km未満、もやは1km以上10km未満
(b) 地ふぶきは降雪中でなくても、積雪が風で吹き上げられれば発生する
(c) 地物に当たって凍る過冷却の雨滴は、凍雨ではなく着氷性の雨・雨氷に近い
(d) 霜は地中の水分ではなく、空気中の水蒸気が地物表面に付着したもの

■ 受験生がつまずくポイント

1. 「地ふぶき=雪が降っている」と思い込む

地ふぶきは、降っている雪ではなく、すでに地面に積もっている雪が風で吹き上げられる現象です。

そのため、降雪がなくても地ふぶきは発生します。

2. 凍雨と着氷性の雨を混同する

凍雨は、空中ですでに凍った氷の粒が降ってくる現象です。

一方、着氷性の雨は、液体の過冷却雨滴が地物に当たってから凍る現象です。

試験では、「どの時点で凍るのか」を意識すると判断しやすくなります。

3. 霜と霜柱を混同する

霜は、空気中の水蒸気が地物表面に氷の結晶として付く現象です。

霜柱は、地中の水分が凍って柱状に成長する現象です。

問題文の「地中に含まれる水分」という表現を見たら、霜ではなく霜柱を疑いましょう。

4. 数値基準をあいまいに覚える

霧ともやの違いは、水平視程の数値で明確に区別されます。

1km未満:霧
1km以上10km未満:もや

このような定義問題では、用語の雰囲気ではなく、数値や条件を正確に押さえることが大切です。

■ まとめ

  • (a)霧ともやは水平視程で区別し、1km未満が霧、1km以上10km未満がもやなので正しい
  • (b)地ふぶきは降雪中である必要はないため誤り
  • (c)過冷却の雨滴が地物で凍るものは、凍雨ではなく着氷性の雨・雨氷に近いため誤り
  • (d)霜は地中の水分ではなく、空気中の水蒸気が地物表面に付くものなので誤り

正解は③

(a)正・(b)誤・(c)誤・(d)誤

この問題で必ず押さえたいこと

地上気象観測の大気現象は、似た用語が多いため、セットで整理して覚えるのが効果的です。

霧ともや:水平視程で区別
地ふぶき:降雪中でなくてもよい
凍雨:凍った粒が降る
着氷性の雨:地物に当たって凍る
霜:空気中の水蒸気
霜柱:地中の水分

特に、凍雨と着氷性の雨霜と霜柱は試験で混同しやすいので、違いをはっきり区別しておきましょう。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第63回 専門知識 問1の解説でした!

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皆で最高の独学環境を作っていきましょう!