【第62回 気象予報士試験 専門知識】問1 地上気象観測の風向・風速をわかりやすく解説
こんにちは!今回は第62回気象予報士試験 専門知識 問1を解説します!
この問題は、気象庁が行う地上風の観測方法、10分間平均風速、静穏の定義、36方位での風向表現について問う基本問題です。
知識問題に見えますが、毎回どこかに細かなひっかけが入っています。特に「10分間平均風速」「静穏の定義」「36方位の表記」は頻出なので確実に押さえておきましょう。
この問題で重要なポイント
- 地上風は風車型風向風速計で観測する
- 10分間平均風速は観測時刻の前10分間の平均値
- 静穏は風速0.3m/s未満
- SYNOPでは風速をノット(kt)で通報する
- 36方位では北を「36」、南を「18」と表す
■ 問題文
気象庁が行っている風向・風速の地上気象観測及び通報について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a)気象官署における地上風の観測は風車型風向風速計を使い、0.1m/s単位で行われるが、地上実況気象通報式(SYNOP)では単位にノットを用い、その1の位まで通報する。
(b)10分間平均風速は、観測時刻を中心とした前後5分間の風速を平均した値である。
(c)0.1m/s単位で観測した10分間平均風速が0.5m/s未満の場合を、「静穏」という。「静穏」の範囲は、気象庁風力階級の風力0に相当する。
(d)風向を36方位で表す場合、北風は「00」、南風は「18」とする。
| (a) | (b) | (c) | (d) | |
|---|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
| ② | 正 | 誤 | 正 | 誤 |
| ③ | 正 | 誤 | 誤 | 誤 |
| ④ | 誤 | 正 | 正 | 正 |
| ⑤ | 誤 | 正 | 誤 | 正 |
■ 解答
③
(a)正
(b)誤
(c)誤
(d)誤
■ 解き方の方針
この問題は計算問題ではなく、観測のルールや定義を正確に覚えているかを確認する問題です。
試験本番では、
10分間平均風速
↓
前10分間
静穏
↓
0.3m/s未満
36方位の北
↓
36
の3つを先に確認すると素早く解けます。
■ (a)地上風の観測とSYNOPでの通報
(a)は正しいです。
気象官署における地上風の観測では、風車型風向風速計を用いて風向・風速を観測します。
風速は0.1m/s単位で観測されます。
一方、問題文に出てくるSYNOP(地上実況気象通報式)とは、世界各国の気象機関が観測データを共通の形式で交換するための国際的な通報方式です。
日本国内では風速をm/sで扱いますが、SYNOPではノット(kt)で通報します。
SYNOPで必ず覚えること
観測
↓
m/s
SYNOP(国際通報)
↓
ノット(kt)
試験では、
- SYNOPでもm/sを使う → ×
- SYNOPではノットを使う → ○
というひっかけがよく出題されます。
したがって、(a)は正です。
■ (b)10分間平均風速は前後5分ではない
(b)は誤りです。
10分間平均風速は、観測時刻を中心にした前後5分間の平均ではありません。
正しくは、観測時刻までの前10分間の平均値です。
例えば9時の観測値なら、
8時50分〜9時00分
の平均風速を用います。
受験生がよく間違えるポイント
「平均」という言葉から前後5分を想像しやすいですが、気象観測では直前10分間です。
前後5分
↓
×
前10分間
↓
○
したがって、(b)は誤です。
■ (c)静穏は0.5m/s未満ではなく0.3m/s未満
(c)は誤りです。
静穏とは、風がほとんど吹いていない状態を表す気象用語です。
試験では感覚ではなく定義を覚える必要があります。
静穏の定義は、
0.3m/s未満
です。
問題文では0.5m/s未満となっているため誤りです。
静穏の定義
静穏
↓
0.3m/s未満
↓
風力0
したがって、(c)は誤です。
■ (d)36方位では北は36
(d)は誤りです。
36方位では360度を10度刻みで表現します。
南風は180度なので「18」です。
一方、北風は360度方向から吹く風なので「36」と表します。
ここも頻出のひっかけ
北風
↓
360度
↓
36
「0度だから00」と考えると失点します。
したがって、(d)は誤です。
■ 選択肢確認表
| 選択肢 | 正誤 | 理由 |
|---|---|---|
| (a) | 正 | SYNOPでは風速をノットで通報する |
| (b) | 誤 | 10分間平均風速は観測時刻前10分間の平均 |
| (c) | 誤 | 静穏は0.3m/s未満 |
| (d) | 誤 | 36方位で北は36、南は18 |
■ 受験生がつまずくポイント
① SYNOPが何かわからない
SYNOPは国際的な地上実況気象通報式です。
試験では「SYNOP=ノットで通報」と覚えれば十分です。
② 前後5分と勘違いする
10分間平均風速は前10分間の平均です。
③ 静穏の数値をあいまいに覚えている
0.3m/s未満です。
0.5m/s未満ではありません。
④ 北を00と考えてしまう
36方位では360度を36で表すため、北は36になります。
■ まとめ
- SYNOPでは風速をノットで通報する
- 10分間平均風速は観測時刻前10分間の平均
- 静穏は0.3m/s未満
- 36方位で北は36、南は18
正解は③
(a)正・(b)誤・(c)誤・(d)誤
この問題で必ず押さえたいこと
SYNOP
↓
ノットで通報
10分間平均風速
↓
前10分間
静穏
↓
0.3m/s未満
36方位の北
↓
36
専門知識の観測分野は暗記問題に見えますが、毎回細かい数字や定義のひっかけがあります。
まずは「前10分間」「0.3m/s未満」「北は36」を確実に覚えましょう。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第62回 専門知識 問1の解説でした!
訂正・ご意見などありましたら、ぜひコメントで教えてください!
皆で最高の独学環境を作っていきましょう!
