【第58回 気象予報士試験 専門知識】問12 台風の眼・壁雲・暖気核・最大風速の解析をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第58回 気象予報士試験 専門知識 問12を解説します!

この問題は、台風の構造についての正誤問題です。

台風の問題では、眼・壁雲・最大風速・暖気核・衛星画像解析などがよく問われます。

特に受験生がつまずきやすいのは、眼の中と壁雲付近で起きていることを混同するところです。

この問題で重要なポイント

  • 最盛期の台風では、眼を取り巻く壁雲付近で風速が最大となる。
  • 台風の中心付近は、対流圏界面まで周囲より高温となる暖気核をもつ。
  • 壁雲付近には強い上昇流がある。
  • 眼の中には弱い下降流が存在する。
  • 眼の中と壁雲を混同しないことが重要。
  • 海上の台風解析では、衛星画像から雲域の形状や雲頂温度を利用する。
  • 観測点が少ない海上では、直接観測だけでなく衛星解析が重要になる。

■ 問題文

台風について述べた次の文(a)〜(d)の正誤について、下記の①〜⑤の中から正しいものを1つ選べ。

(a) 眼が観測される最盛期の台風では、眼を取り巻く壁雲付近で風速が最大となる。

(b) 最盛期の台風の中心付近の気温は、地表からほぼ対流圏界面まで周辺に比べて高い。

(c) 台風の眼を取り巻く壁雲付近には強い上昇流があるが、眼の中には弱い下降流が存在する。

(d) 気象庁では、観測点のない海上における台風の最大風速や中心気圧の解析には、気象衛星画像による台風の雲域の形状や雲頂温度の分布から台風の強度を推定する方法を用いている。

選択肢 内容
(a)のみ誤り
(b)のみ誤り
(c)のみ誤り
(d)のみ誤り
すべて正しい

■ 解答

すべて正しい

■ 解き方の方針

この問題は、台風の立体構造をイメージすると解きやすいです。

台風の眼

中心付近の比較的穏やかな領域

眼の周囲

壁雲

強い上昇流・強風域

台風中心付近

暖気核

周辺より高温

海上の台風解析

衛星画像から強度を推定

この4つのイメージが整理できていれば、全て正しいと判断できます。

■ (a) 最大風速は壁雲付近で現れるか

(a)は正しいです。

眼がはっきり観測されるような最盛期の台風では、中心の眼そのものではなく、眼を取り巻く壁雲付近で風速が最大になります。

壁雲は、台風の中心付近で最も活発な対流雲が並ぶ領域です。

ここでは強い上昇流と強い水平風が存在し、台風の中でも非常に激しい現象が起きています。

最大風速の位置

台風の眼

比較的穏やか

眼を取り巻く壁雲

対流が活発

風速が最大

したがって、(a)は正しいです。

■ (b) 台風中心付近は周辺より高温か

(b)は正しいです。

台風は、中心付近に暖気核をもつ構造です。

最盛期の台風では、中心付近の気温は、地表付近からほぼ対流圏界面まで周辺に比べて高くなっています。

これは、台風が暖かい海面から水蒸気の供給を受け、凝結に伴う潜熱の放出によって発達する暖気性の低気圧であるためです。

台風の暖気核

暖かい海面

水蒸気を供給

雲の中で凝結

潜熱を放出

中心付近が高温

暖気核

したがって、(b)は正しいです。

■ (c) 壁雲には上昇流、眼の中には下降流があるか

(c)は正しいです。

台風の眼を取り巻く壁雲付近では、強い上昇流が存在します。

この上昇流によって積乱雲が発達し、台風の強い雨や風をもたらします。

一方、眼の中では、空気が弱く下降しています。

この弱い下降流により雲が少なくなり、眼の中では比較的穏やかな天候になることがあります。

ここが受験生のつまずきポイントです

台風全体を「上昇流のかたまり」と考えると、眼の中にも強い上昇流があると思ってしまいます。

しかし、上昇流が強いのは壁雲付近です。

壁雲

強い上昇流

眼の中

弱い下降流

ここを分けて覚えましょう。

したがって、(c)は正しいです。

■ (d) 海上の台風解析に衛星画像を利用するか

(d)は正しいです。

台風は海上で発生・発達することが多く、観測点が十分にない場所を通ることも多いです。

そのため、中心気圧や最大風速を直接観測だけで把握するのは難しい場合があります。

気象庁では、気象衛星画像から見た雲域の形状や雲頂温度の分布を利用して、台風の強度を推定する方法を用いています。

海上の台風解析

海上

観測点が少ない

直接観測だけでは不十分

衛星画像

雲域の形状
雲頂温度の分布

台風の強度を推定

したがって、(d)は正しいです。

■ 選択肢確認表

項目 判定 理由
(a) 最盛期の台風では、眼を取り巻く壁雲付近で風速が最大となる。
(b) 台風中心付近は暖気核をもち、地表付近からほぼ対流圏界面まで周辺より高温である。
(c) 壁雲付近には強い上昇流があり、眼の中には弱い下降流が存在する。
(d) 観測点の少ない海上では、衛星画像の雲域の形状や雲頂温度から台風の強度を推定する方法が用いられる。

以上より、すべて正しいため、正解はです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 台風の眼で最大風速になると思ってしまう

最大風速は眼の中ではなく、眼を取り巻く壁雲付近に現れます。眼は比較的穏やかな領域です。

2. 暖気核の高さ方向の広がりを忘れる

台風中心付近は、地表付近だけでなく、ほぼ対流圏界面まで周辺より高温です。台風は暖気性の低気圧です。

3. 眼の中と壁雲を混同する

壁雲では強い上昇流、眼の中では弱い下降流です。台風の中心付近を一括りにせず、眼と壁雲を分けて考えましょう。

4. 海上でも地上観測で十分と思ってしまう

海上は観測点が少ないため、衛星画像を利用した強度推定が重要です。雲域の形状や雲頂温度が手がかりになります。

5. 「すべて正しい」を選ぶのが不安になる

試験では、すべて正しい選択肢も普通に出ます。1つずつ構造的に確認して、誤りがなければ⑤を選びましょう。

■ まとめ

  • 最盛期の台風では、壁雲付近で風速が最大となる。
  • 台風中心付近は暖気核をもち、周辺より高温である。
  • 壁雲付近には強い上昇流がある。
  • 眼の中には弱い下降流がある。
  • 海上の台風解析では、衛星画像から雲域の形状や雲頂温度を利用して強度を推定する。
  • (a)〜(d)はすべて正しい。

正解は⑤

この問題で必ず押さえたいこと

台風の眼

比較的穏やか

弱い下降流

壁雲

強い上昇流

最大風速が現れやすい

台風中心付近

暖気核

周辺より高温

海上の台風解析

観測点が少ない

衛星画像で強度推定

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第58回 専門知識 問12の解説でした!

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