【気象予報士試験】第9章 台風|台風の定義・進路予報・気象衛星・災害をゼロから学ぼう!

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【例題】

「台風に関する次の説明のうち、正しいものはどれか。
① 台風とは最大風速が17.2m/s以上の熱帯低気圧で、東経180度以東にも存在すれば台風という
② 暴風域は最大風速25m/s以上の台風でも存在することがある
③ 台風の予報円とは、その予想時刻に台風中心が入る確率が70%の円である
④ 台風が温帯低気圧に変わるのは、最大風速が17.2m/s未満になった時点である」

目次

  • 1. 台風の定義と基礎知識
  • 2. 台風の大きさ・強さの分類と名称
  • 3. 台風進路予想図の読み方
  • 4. 台風情報の種類
  • 5. 台風アンサンブル予報
  • 6. 気象衛星画像による台風解析
  • 7. 台風の気象学(発生・構造・CISK・温帯低気圧化)
  • 8. 台風による災害
  • 9. 📋 理解チェックテスト(5問)
  • 10. 📋 過去問チャレンジ(5問)

1. 台風の定義と基礎知識

台風の定義

  • 東経180度以西・赤道以北の北西太平洋上(南シナ海を含む)に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速が17.2m/s(34kt・風力8)以上に達したもの
  • 発生海域:海面温度26.5℃以上、北緯5〜25度、コリオリ力が十分に働く領域
  • 偏東風帯では西〜北西進、偏西風帯に入ると北東に転向(約半数)
  • 500hPaの一般流(一般風)に流される傾向

名称の違い

名称 海域 定義
台風(Typhoon) 東経180度以西・北西太平洋 最大風速17.2m/s以上(10分間平均
ハリケーン(Hurricane) 北大西洋・東太平洋など 最大風速64kt(33m/s)以上(1分間平均
サイクロン(Cyclone) 北インド洋 別途定義

【重要ポイント】

  • 日本の最大風速:10分間平均風速の最大値
  • アメリカの最大風速:1分間平均風速の最大値(平均時間が短いほど値が大きくなる)
  • 同じ台風でもアメリカ基準では2〜3割大きい値になります。

強風域・暴風域の定義

  • 強風域:平均風速15m/s以上の風が吹いているか、地形の影響がなければ吹くおそれがある領域
  • 暴風域:平均風速25m/s以上の風が吹いているか、地形の影響がなければ吹くおそれがある領域
  • 暴風域の有無:最大風速30m/s(55kt)以上の台風で存在。25m/s(50kt)以下では存在しません。

台風の中心位置確度(3階級)

英語 日本語 意味
Good 正確 誤差30海里以下
Fair ほぼ正確 誤差30海里超・60海里以下
Poor 不確実 誤差60海里超

天気図での台風表記(国際通報式)

表記 読み方 最大風速
TD トロピカル・ディプレッション 34kt未満(熱帯低気圧)
TS トロピカル・ストーム 34kt以上48kt未満(台風)
STS シビア・トロピカル・ストーム 48kt以上64kt未満(台風)
T タイフーン 64kt以上(台風・ハリケーン)

2. 台風の大きさ・強さの分類

大きさ(強風域の平均半径で分類)

表現 強風域の平均半径
大型(大きい) 500km以上800km未満
超大型(非常に大きい) 800km以上

※「小型」「中型」は現在使用しません。大きさに下限表現はありません。

強さ(中心付近の最大風速で分類)

表現 最大風速
強い 33m/s(64kt)以上44m/s(85kt)未満
非常に強い 44m/s(85kt)以上54m/s(105kt)未満
猛烈な 54m/s(105kt)以上

3. 台風進路予想図の読み方

予報円

  • 破線で表示されます。
  • 予想時刻に台風中心が入る確率70%(70%以上ではありません)
  • 予報期間が長くなるほど大きくなります。

暴風警戒域

  • 台風が予想進路(予報円内)を進むときに、暴風域に入るおそれがある領域
  • 予報円に接する2本の接線内を、現状の暴風域が通過するすべての進路パターンを含みます。
  • 暴風警戒域は常に暴風域より大きい(予報誤差を含むため)
  • 台風が温帯低気圧に変わっても、暴風域を持つ場合は暴風警戒域を表示します。

進路予想の解釈

  • 予報円が急に大きくなる時刻は予報精度が低いです。
  • アンサンブルのばらつきが大きい=予報精度が低くなります。
  • 台風右側を通過する地点は風向が時計回りに変化します。
  • 台風左側を通過する地点は風向が反時計回りに変化します。

💡 暴風域に入る確率の考え方

  • 数値の絶対値ではなく変化量に注目します(2%→10%なら5倍の危険性)。
  • 3時間毎の確率と24時間毎の確率は必ずしも一致しません(一致することも不一致と断定もできない)。

5日先進路予報

  • 3日先まで台風を維持する予報の場合に4〜5日先も表示されます。
  • 4・5日先は勢力(中心気圧・最大風速)の予報はなく、進路のみです。
  • 1日4回更新(3時・9時・15時・21時の観測データを使用、約90分後に発表)。
台風の分類表・台風情報の種類・予報円と暴風警戒域の概念図

▲ 台風の分類表・台風情報の種類・予報円と暴風警戒域の概念図

4. 台風情報の種類

種類 発表時刻 内容
5日予報(180時間) 6時間毎(3・9・15・21時) 24・48・72・96・120時間後の中心位置(進路のみ)
72時間予想 6時間毎 24・48・72時間後の中心位置・中心気圧・最大風速・最大瞬間風速・72時間以内の暴風警戒域
24時間予報 3時間毎(3・6・9・12・15・18・21・24時) 12・24時間後の位置・中心気圧・最大風速・最大瞬間風速・3時間毎の中心位置・24時間以内の暴風警戒域
台風接近時(海岸線300km以内) 毎時(例:09時発表→08時実況) 中心位置・中心気圧・最大風速・最大瞬間風速・暴風域・強風域・1時間後の推定位置(上陸時は市町村名)

【特記事項】

  • 5日予報は3日先も台風維持の予想が条件です。
  • 次の場合、4・5日予報は省略されます:全般海上警報対象外に進む予想、中国・ベトナム等に上陸後陸上にとどまる予想、朝鮮半島通過予想、北緯40度以北に達しさらに北上する予想。
  • 2個目以降の台風は約110分後に発表されます。

5. 台風アンサンブル予報

  • 台風進路予想は台風アンサンブル予報モデルのみでなく、全球モデルやその他資料を総合して判断します。
  • 実際のメンバー数:11メンバー
  • アンサンブルのばらつきが小さい=予報精度が高い、予報円が小さい
  • ばらつきが大きい=予報精度が低い、予報円が大きい
  • 両極端のメンバーを除いた70%のメンバーが入るように予報円を設定します。

6. 気象衛星画像による台風解析

台風の勢力推定(ドボラック法)

  • 雲域の形状・雲頂温度・眼の有無・CDOパターンなどを総合評価します。
  • 眼が明瞭で小さいほど勢力が強い傾向があります。
  • 眼がある時点では暴風域を保有していることがほとんどです。
  • 眼がない場合でも勢力が強いことがあります(上層雲で隠れる場合など)。
  • 気象予報士試験では2枚の画像の相対的な勢力比較が求められます。

台風の発達を示す衛星画像の特徴

  • 発達初期:渦循環が不明瞭(低圧部)→明瞭化(熱帯低気圧)
  • 発達中:白く輝く積乱雲が中心軸に集まり渦循環が明瞭化
  • 最盛期:小さく明瞭な眼、濃密な円形のCDO(上層雲)、眼の壁(アイウォール)が明瞭
  • 衰弱期:円形の雲が崩れ、後面(南西側)に暗域(雲なし領域)が広がる
  • 温帯低気圧化:進行方向前面(北東側)に発達した対流雲、後面(南西側)に暗域

台風の構造

  • スパイラルバンド:らせん状の帯状の雲域
  • アイウォール(眼の壁):眼を取り囲む非常に強い降水域(60mm/h以上)。最大風速はここで発生
  • CDOパターン:台風上層の水平発散で広がる上層雲。濃密・円形ほど勢力が強い
  • 台風の進行方向右側で最大風速(移動速度が加わるため)

台風本体の雲と周辺の雲

  • 台風北側に前線が存在すると前線活動が活発化→大雨
  • アウターバンド(外側降雨帯):盛夏期、台風外側北側の雨域(前線なし)
台風の構造断面図・台風による災害一覧・台風の一生サイクル

▲ 台風の構造断面図・台風による災害一覧・台風の一生サイクル

7. 台風の気象学

台風の発生条件

  • 熱帯気団内(前線なし)
  • コリオリ力が十分働く北緯5度以北
  • 風の鉛直シアが小さい
  • 海面温度26.5℃以上
  • 熱帯収束帯(ITCZ)での収束、偏東風波動などがきっかけ

第2種条件付不安定(CISK)

  • 台風のエネルギー源は水蒸気が凝結する際に放出される潜熱
  • 潜熱放出→大気加熱→密度低下→地表気圧降下→周辺から暖湿空気が収束→上昇→凝結→さらに潜熱放出(正のフィードバック)
  • 台風内はウォームコア(暖気核)を持つ:周辺より気温が高い
  • 上層ほど低気圧性が不明瞭になる(等圧面のくぼみが小さくなる)
  • 上層(対流圏界面付近)では中心から少し離れた所で高気圧性循環(外側発散)

台風の衰弱パターン

  1. 熱帯低気圧に変わる:最大風速が17.2m/s未満になった場合(7月下旬〜8月の盛夏期に多い)
  2. 温帯低気圧に変わる:中緯度帯の傾圧帯に進み、台風外側から前線が形成され中心まで前線が達した時点で温帯低気圧化完了

台風の月別統計(1981〜2010年の平年値)

  • 年間平均発生数:約25.6個
  • 最多発生月:8月(次いで9月)
  • 本土上陸最多月:8月(次いで9月)
  • 最早上陸:5月、最遅上陸:11月
  • 沖縄の台風シーズン:6〜10月

台風通過と海面温度

  • 台風通過後に海水温が2〜3℃低下(波浪による上下混合で深層の冷水と混合)
  • 大型の強い台風では冷水湧昇(コリオリ力により風ベクトルの右側前方45度に海流が流れ、中心付近で表面水が不足し深層冷水が湧昇)

藤原の効果

  • 2つ以上の台風が約800km以内に接近すると互いに影響し複雑な進路を取る
  • 500hPaの一般流が弱い場合は2台風が全体として反時計回りの回転をする傾向

8. 台風による災害

暴風による災害

  • 進行方向右側で風が強い(台風自体の風+移動速度成分が加わる)
  • 風速2倍→風圧4倍(風圧は風速の2乗に比例)→対策には最大瞬間風速を参考に

高潮による災害

  • 吸い上げ効果:気圧が1hPa低下→海面が1cm上昇(伊勢湾台風:上陸時930hPa→約70cm上昇)
  • 吹き寄せ効果:暴風が海水を吹き寄せて潮位が上昇
  • 高潮が最も顕著になる条件:風上側に開いたV字型の湾遠浅の海岸大潮の満潮時
  • 大潮:満月・新月の頃。小潮:半月(上弦・下弦)の頃

高波による災害

  • 波高:波の谷から峰までの高さ
  • 有義波高:波高の高い順に上位1/3を抽出して平均した値(天気予報で使用)
  • 1000波に1回程度、有義波高の約2倍の波が来ることがある(一発大波)
  • うねり:遠方からの波長の長い波。減衰しにくく数百km遠方まで伝播

大雨による災害

  • スパイラルバンドが通過するたびに強い雨
  • 台風中心200km以内では非常に強い雨・風が持続
  • アイウォール通過時:80mm/h以上の猛烈な雨
  • 盛夏以外:台風北側の前線が活発化→台風本体の前から大雨が発生

その他の災害

  • 竜巻:進行方向右前方象限での発生頻度が最も高い(ただし他の象限でも発生)
  • 塩風害(塩害):降水が少ない強風時に発生しやすい(降水があれば塩分が洗い流される)。数日後の降雨で停電が発生することもある

9. 📋 理解チェックテスト(5問)

【問1】台風の定義と名称

① 台風は最大風速が17.2m/s以上の熱帯低気圧で、東経180度以西・赤道以北に存在するものをいう
② 台風の最大風速とアメリカのハリケーンの最大風速は同じ定義で求められる
③ 暴風域は最大風速25m/s以上の台風で必ず存在する
④ 強風域とは平均風速20m/s以上が吹いている領域をいう

💡 解答・解説

正解:①
①正:東経180度以西・赤道以北の定義は正しい。②誤:日本は10分間平均、アメリカは1分間平均で異なる。③誤:暴風域は最大風速30m/s(55kt)以上で存在。④誤:強風域は15m/s以上。

【問2】台風の大きさと強さ

① 台風の大きさは「小型・大型・超大型」の3階級に分類される
② 台風の大きさは平均風速15m/s以上の強風域の平均半径で分類される
③ 台風の強さは最大瞬間風速で分類される
④ 暴風域を持つのは「非常に強い」か「猛烈な」台風のみである

💡 解答・解説

正解:②
①誤:現在「小型・中型」は使用しない。②正しい。③誤:強さは最大風速(10分間平均の最大値)で分類。④誤:「強い台風」でも暴風域を持つことがある(最大風速33m/s以上で30m/s超の領域が存在する場合)。

【問3】予報円と暴風警戒域

① 予報円は台風中心が入る確率が100%の円である
② 暴風警戒域は必ず暴風域と同じ大きさである
③ 台風が温帯低気圧に変わったら暴風警戒域は必ず消滅する
④ 予報円は予想期間が長いほど大きくなる

💡 解答・解説

正解:④
①誤:70%(70%以上ではない)。②誤:暴風警戒域は常に暴風域より大きい。③誤:温帯低気圧に変わっても暴風域を保有する場合は暴風警戒域を表示。④正しい。

【問4】台風の構造と気象学

① 台風内は周辺より気温が低い(コールドコア)
② 台風は下層・上層ともに低気圧性循環を持つ
③ 台風の最大風速はアイウォール(眼の壁)付近で発生することが多い
④ 台風が温帯低気圧に変わるのは最大風速が17.2m/s未満になった時点である

💡 解答・解説

正解:③
①誤:ウォームコア(暖気核)を持つ。②誤:上層の中心から離れたところでは高気圧性循環。③正しい。④誤:前線が中心に達した時点で温帯低気圧化(盛夏期は熱帯低気圧に変わる場合が多い)。

【問5】台風による災害

① 高潮の吸い上げ効果では気圧が1hPa低下すると海面が10cm上昇する
② 台風通過後、海面温度は通常2〜3℃上昇する
③ 塩風害は降水量が多い状況で発生しやすい
④ 高潮被害が最も起きやすいのは、風上側に開いたV字型の湾で大潮の満潮時である

💡 解答・解説

正解:④
①誤:1hPa低下→1cm上昇。②誤:台風通過後は2〜3℃低下(冷水混合のため)。③誤:降水が少ないほど塩分が洗い流されず発生しやすい。④正しい。

10. 📋 過去問チャレンジ(5問)

【過去問1:平成24年度第1回 専門知識 問9】

台風について述べた次の文(a)〜(d)の正誤の組み合わせとして正しいものはどれか。
(a) 台風の運動エネルギーの源は、雲の中で水蒸気が凝結する際に放出される潜熱である。
(b) 台風の循環は、下層では低気圧性であるが、上層の中心からある程度離れたところでは高気圧性である。
(c) 台風の通過直後には、暖かい空気により海水が暖められて海面水温が一時的に上昇することが多い。
(d) 気象衛星画像における台風の雲域の形状や雲頂温度の分布は台風の強さに関係しており(ドボラック法)、最大風速や中心気圧を推定できる。

選択肢:①a正b正c誤d正 ②a正b誤c正d正 ③a誤b正c誤d正 ④a誤b誤c正d誤 ⑤a正b正c正d誤

💡 解答・解説

正解:①(a正・b正・c誤・d正)
(a)正:CISKのエネルギー源は潜熱。(b)正:上層の外側では高気圧性循環(外側発散)。(c)誤:台風通過後は海水混合で2〜3℃低下する。(d)正:ドボラック法の説明として正しい。

【過去問2:平成24年度第1回 専門知識 問9(気象庁台風情報)】

気象庁が発表する台風の実況と予報について述べた次の文(a)〜(d)の正誤として正しいものはどれか。
(a) 台風の中心位置の確度「ほぼ正確(FAIR)」とは、推定中心位置の誤差が概ね110km(80海里)から概ね120km(110海里)の間にあることを意味する。
(b) 今後24時間以内に台風に発達することが予想される熱帯低気圧については、24時間先までの進路と台風の強度に関する予報が発表される。
(c) 台風情報において台風の中心が予報対象時刻に予報円の中に入る確率はおよそ80%である。
(d) 台風予報において予報対象時刻の暴風警戒域の大きさは、その予報時刻における台風の暴風域の大きさより常に大きい。

選択肢:①a正b正c誤d正 ②a誤b正c誤d正 ③a正b誤c正d誤 ④a誤b誤c正d正 ⑤a正b正c正d誤

💡 解答・解説

正解:②(a誤・b正・c誤・d正)
(a)誤:FAIRは誤差30海里超〜60海里以下。(b)正:24時間先まで予報発表。(c)誤:予報円内に入る確率は70%。(d)正:暴風警戒域は常に暴風域より大きい。

【過去問3:平成23年度第2回 専門知識 問8】

台風について述べた次の文(a)〜(d)の正誤として正しいものはどれか。
(a) 赤道〜北緯5度の海域では、台風はほとんど発生しない。
(b) 台風域で発生したうねりは、波長が長く減衰しにくいため遠く離れた海域まで伝播し、台風が遠方にある場合でもうねりへの警戒が必要である。
(c) 台風がある地点の西側を北上する場合、その地点の風向は東→北→西と反時計回りに変化する。
(d) 台風の暴風域内では全域で風速25m/s以上の風が吹く。

選択肢:①a正b正c正d誤 ②a正b誤c正d誤 ③a正b正c誤d誤 ④a誤b正c正d正 ⑤a正b正c正d正

💡 解答・解説

正解:③(a正・b正・c誤・d誤)
(a)正:北緯5度以北がコリオリ力有効。(b)正:うねりは遠方まで伝播。(c)誤:台風が西側を北上する場合、風向は時計回りに変化(東→南→西)。(d)誤:暴風域は「吹いているか、地形の影響がなければ吹くおそれがある領域」で必ずしも全域で吹いているわけではない。

【過去問4:平成25年度第1回 専門知識 問12】

台風の大きさと強さについて述べた次の文(a)〜(d)の正誤として正しいものはどれか。
(a) 台風の大きさは、平均風速が15m/s以上の領域の半径によって分類される。
(b) 台風の大きさは「小型・大型・超大型」の3階級に分類される。
(c) 台風の強さは、最大瞬間風速の大きさによって分類される。
(d) 暴風域を伴うのは「非常に強い台風」か「猛烈な台風」に限られ、「強い台風」が暴風域を伴うことはない。

💡 解答・解説

正解:①(a正・b誤・c誤・d誤)
(a)正。(b)誤:現在「小型・中型」は使用しない。(c)誤:最大風速(10分間平均の最大値)で分類。(d)誤:「強い台風」(33m/s以上)でも暴風域(30m/s以上の領域)を保有できる。

【過去問5:平成7年度第1回 専門知識 問10(熱帯低気圧)】

熱帯低気圧に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
① 低緯度で発生した台風がおおむね西に進むのは、太平洋高気圧の南の偏東風に流されるからである。
② 台風には、流す大規模な流れがなければ、地球の自転の効果により南下する性質がある。
③ 二つの台風が接近すると、影響を及ぼし合い、互いに相手の周りを反時計回りに回転するような動きをすることがある。
④ 気象レーダーで台風を観測すると、多くの場合、台風の目を取り囲む壁雲のエコーとらせん状のエコーが見られる。
⑤ 発達中の台風の中心付近の上空では、周囲に比べて気温が高いが、温帯低気圧に変わるとこの特徴は失われる。

💡 解答・解説

正解:②
②誤:台風を流す大規模な流れがない場合、地球の自転の効果(コリオリ力)により北上(北西〜北)する性質がある(南下ではない)。他はすべて正しい。

まとめ

  • 台風の定義:東経180度以西・北緯赤道以北、最大風速17.2m/s(34kt)以上の熱帯低気圧
  • 暴風域の有無:最大風速30m/s(55kt)以上で存在
  • 大きさ:強風域半径 大型500〜800km、超大型800km以上(小型・中型は使用しない)
  • 強さ:強い33m/s〜、非常に強い44m/s〜、猛烈な54m/s以上
  • 中心位置確度:Good(30海里以下)、Fair(30〜60海里)、Poor(60海里超)
  • 予報円:70%の確率で中心が入る円(70%以上ではない)
  • 暴風警戒域:常に暴風域より大きい
  • CISK:水蒸気の潜熱がエネルギー源。ウォームコア構造
  • 上層循環:中心から離れたところで高気圧性(外側発散)
  • 温帯低気圧化:前線が中心に達した時点(最大風速は関係ない)
  • 熱帯低気圧化:最大風速17.2m/s未満になった時点
  • 藤原の効果:2台風が約800km以内に接近→複雑な進路(反時計回り傾向)
  • 台風通過後:海面温度2〜3℃低下
  • 高潮吸い上げ効果:1hPa低下→海面1cm上昇
  • 高潮リスク:V字型の湾+遠浅の海岸+大潮の満潮時
  • 最多発生・上陸:8月(次いで9月)

難易度:★★★★★(台風は試験頻出!定義・数値を正確に覚えること)

この記事について

気象予報士試験の合格を目指す方のために、専門知識を初学者向けにわかりやすく解説しています。台風は専門知識で最も出題頻度が高いテーマの一つです。定義・数値・表の内容を正確に覚えることが合格の鍵です!

【気象予報士試験講義No.20】台風|台風の定義・進路予報・気象衛星・災害をゼロから学ぼう!

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