こんにちは!今回は気象予報士試験 第61回 実技1 問4を解説します!
記述式問題は以下の項目でカテゴリー分けします。
実技試験記述5型
基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)
- 分布型:「A側では ○○ であり、一方 B側では △△ となっている。」
- 時間変化型:「◯時には A であったが、△時には B となり、A から B へと変化した。」
- メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
- リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意(警戒)が必要である。」
- 構造型:「◯◯付近の ◇◇hPa で気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」
こちらの記事を参考⇒【実技試験講義No.1】気象予報士試験実技試験記述5型 – 独学資格塾
(1)解説
◇模範解答

◇解説
図12は22日17時の関東南部の地上気温分布(アメダス等の観測値を補足した解析図)です。この資料に基づき、1℃の等温線を1本描くよう指示されたのが(1)の設問でした。1℃の等温線は、気温がちょうど1℃となる地点を結んだ線で、問題文の但し書きによれば解答図の枠線まで途切れずに伸ばすよう求められています。等温線を描く際は、観測点の気温データをなめらかに結ぶよう意識します。
関東南部では、22日夕方にかけて北部から寒気が流入し、内陸部では0℃前後まで気温が下がっていました。海沿い(房総半島南部など)はやや高め(3~5℃程度)でしたので、1℃の等温線は内陸の冷気域と沿岸の暖気域の境目付近を南北に走る形になります。図12では、例えば埼玉・東京北部で0~1℃、東京南部~神奈川東部で2~3℃といった分布だったと推測され、1℃線はその中間を通るよう描くことになります。
模範解答図では、概ね東京多摩地域から埼玉南部を経て千葉県北西部へ抜けるような経路で1℃線が描かれています(実際の支援センター解答例もそのような形になっています)。受験者によって多少線の位置にブレが出ても大勢に影響はありませんが、等温線は滑らかに、観測値を整合的に二分するよう描くのがコツです。なお、問題文で「1本のみ」と明記されていますので、他の温度の線(例えば2℃線など)を描かないよう注意する必要がありました。
(2)解説
◇模範解答
① シアーラインの北西側は、南東側と比較して相対的に低温となっている。
② 通過した時刻:17時、 天気の変化:雨が雪(みぞれ)に変わる。
◇解説
①このシアーラインを挟んだ気温分布の特徴を問われました。模範解答の通り、「シアーラインの北西側は、南東側と比較して相対的に低温となっている。」と答えます。これは関東南部(東京湾付近)で、北西側に冷たい空気塊、南東側に相対的に暖かい空気塊があることを意味します。実際、シアーラインとは風向の境界線ですが、図13上でその両側の気温を色分けして比較すると、北西側の内陸寄りエリア(茨城南部~千葉北部・埼玉東部など)に低温域が広がり、南東側の海寄りエリア(千葉南部~東京湾沿岸)には高温域があることが分かります。このように寒気がシアーラインを境に片側に偏在していることがポイントでした。言い換えると、「シアーライン北西側には取り残された冷たい空気がある」とも表現できます。
②そのシアーラインが通過した時刻と天気の変化について問われました。図13にはおそらく時間帯ごとの気温推移や降水種別の情報が示されていたと考えられます。模範解答では「通過した時刻:17時」「天気の変化:雨が雪(みぞれ)に変わる。」と記述しています。22日17時頃にシアーラインがある地点を通過し、その際に降っていた雨が雪ないしみぞれに変わったという意味です。これはシアーラインを境に寒気が流入して気温が低下した結果、降水の相態が雨から雪へと変化した現象です。実際、関東南部では夕方にかけて雨からみぞれ・雪へと天気が変わった地域があり、問題はその典型例を答えさせるものでした。みぞれ(雨雪交じり)は雪への移行期によく見られる現象です。
(3)解説
◇模範解答
① 3(℃), ② 40 (50)(%), ③ 蒸発, ④ 融解, ⑤ 昇華, ⑥ 冷却(※)
※④と⑤の順序は逆でも可
◇解説
(3)は降雪時の気温低下メカニズムに関する穴埋め問題でした。与えられた選択肢語群から適切な語や数値を埋める形式で、模範解答は① 3(℃), ② 40 (50)(%), ③ 蒸発, ④ 融解, ⑤ 昇華, ⑥ 冷却となっています。選択肢③~⑥の語は蒸発(液体→気体)、融解(固体→液体)、昇華(固体→気体)といった相変化と冷却を表すもので、気象における潜熱吸収過程を指しています。
問題文は例えば、「雪の融解や昇華によって周囲の熱が奪われ空気が冷却される。水1gの融解には約80cal、昇華には約680calの熱が必要で、大量の雪の融解・昇華は気温を3℃程度低下させる効果がある。さらに雨滴の蒸発による冷却も加わり…」といった文章だったのではないかと思われます。
要するに、降雪時に気温が下がるのは、雪や雨の融解・蒸発による冷却作用があるからです。固体の氷(雪)が融ける際(融解)や水蒸気になる際(昇華)、周囲から熱を奪うので空気は冷却されます。また雨が蒸発する際も熱を奪います。選択肢①と⑤(3と昇華)は文中で入れ替えても意味は通るため、順不同可とされています。
(4)解説
◇模範解答
① 大雪注意報:16時, 大雪警報:18時 発表
② 種類:着雪注意報(着氷注意報)
根拠:気温が0℃前後で大型となった雪片が付着・着氷しやすいため。
◇解説
(4)は防災気象情報に関する設問で、関東地方(東京都区部など)の降雪に際して発表される「大雪注意報」「大雪警報」およびその他の留意すべき注意報種別について問われました。
①それぞれの発表時刻**を答えます。模範解答では「大雪注意報:16時、大雪警報:18時」としています。これは22日の降雪で、夕方16時に大雪注意報が発表され、その後状況悪化に伴い18時に大雪警報へ切り替わったことを示します。当日の気象状況から、関東南部では夕方にかけ急速に積雪が増加したため、このような発表順になったものと考えられます(実際の発表時刻が題材になっている)。発表基準としては関東南部平野部では数センチの降雪見通しで注意報、10センチ以上の見通しで警報相当となりますが、短時間で基準に達すると判断され警報に切り替えられた状況です。
②発表すべき「種別」を答えます。模範解答は「着雪注意報(着氷注意報)」となっています。着雪注意報とは、雪が電線や樹木に付着・着雪して被害の恐れがあるとき発表される注意報です(着氷注意報は雨氷など氷が付着する現象に対する注意報)。本問では、気温0℃前後で湿った重い雪(みぞれ状の雪)が降ったため、電線等への着雪のおそれがあったと考えられます。実際、関東でも湿雪による着雪・着氷被害が起こりうるため、その対策として「着雪注意報」の発表が重要になります。
最後に根拠(理由)です。模範解答は「気温が0℃前後で大型となっている雪片が付着・着氷しやすいため。」とあります。これは、気温0℃近辺の湿った雪はべたつきやすく大きなボタ雪になりやすいので、電線や樹木に張り付きやすいという理由です。実際、気温が高めの降雪ほど重く湿った雪片になり、着雪による送電障害などの被害リスクが増します。今回の状況もまさにそれに当てはまり、注意報種別として着雪注意報を考慮すべき状況でした。受験者は学科知識として各種警報・注意報の基準や対象を学んでいますので、それを応用して「なぜ着雪の注意報が必要か」を説明する流れです。
以上より、(4)は16時に大雪注意報→18時に大雪警報へ切替、さらに湿雪による着雪注意報も必要で、その理由は気温0℃前後の重たい雪で着雪・着氷の恐れがあるためとまとめます。防災上の観点(リスク型記述)を問う設問であり、実際の災害事例を踏まえた知識が求められました。
記述式解答のポイント:リスク型 どこで: 関東南部(東京都区部など)での降雪(22日16~18時)。なぜ: 気温が0℃近く、湿った大型の雪片が降り積もり始め、着雪・着氷による障害発生の恐れがあるため。何が起きている: 16時に大雪注意報が発表され、その後降雪強度の増加に伴い18時には大雪警報に切り替えられました。また、電線や樹木への着雪による被害リスクが高まったため、着雪注意報(着氷注意報)も発表すべき状況でした
以上です!独自解説とAIを組み合わせ解答・解説を作成しています。訂正・ご意見あればコメントやご連絡いただけると幸いです。皆で最高の独学環境を作り上げていきましょう!
