【過去問解説】第63回 実技1 問1

2025年11月19日

こんにちは!今回は気象予報士試験 第63回 実技1 問1を解説します!

◇模範解答

① 5(ノット)、② 2(度)、③ やや強い、④ 3(時間)、⑤ +3.4 hPa、⑥ 海上強風(警報)、⑦ ドライスロット、⑧ クラウドクラスター

◇解説

千島近海にある低気圧は前線を伴い発達の最盛期に達しています。図1(地上天気図)では、この低気圧が北方向へゆっくりと移動しており、SLWの表記があることから速度は5ノット以下となります。5ノットで今後も同じ速度で真北に進むと24時間後の緯度変化は24×5=120ノットとなり、600海里=10°のため、緯度にして0°~2°北方に中心が位置する見込みとなります。

根室の実況に注目すると、南に位置するこの地点では25ノット(約13 m/s)の風を観測しています。25ノットの風力は選択肢の強度区分では「やや強い風」に該当します。風向について問題文には触れていませんが、図1から根室の風向は南西~西よりで、低気圧の中心から見て南側で吹き込む風でした(低気圧の南に位置するという記述と一致)。また根室の3時間気圧変化を見ると、3時間前に比べ+3.4 hPaと気圧上昇が見られます。これは低気圧が遠ざかりつつあるか、低気圧周辺で気圧傾度が緩和したことを示唆します。問題文でも「(④)時間前に比べて気圧は(⑤)hPa変化」とあり、④は「3(時間)前」、⑤は「+3.4 hPa(上昇)」が適切です。

千島近海の低気圧および東シナ海の低気圧に対しては海上強風警報が発表されています。海上強風警報とは海上(海域)における強風に関する警報で、低気圧や前線による海上の風の強まりに注意を促すものです。設問⑥は「~警報が発表」とあるので警報名を漢字で答えます。地上天気図の凡例や周辺情報からも、海上風警報の発表が読み取れます。

続いて衛星赤外画像(図2)に見られる特徴的な雲の様子についてです。千島近海の低気圧は閉塞段階に入り、発達のピークに達しています。この頃によく見られるのが「ドライスロット」と呼ばれる雲の切れ間です。実際に図2では、低気圧中心付近に向かって上層・中層の雲がない空白域が南側から巻き込むように伸びています。これは低気圧の南側から乾燥した空気が巻き込んで流入する現象で、温帯低気圧の成熟期に典型的なパターンです。したがって⑦にはドライスロットが入ります。

一方、東シナ海の低気圧付近の衛星画像を見ると、低気圧の中心付近およびその東側に白くまとまった積乱雲の塊が2つ確認できます。これは対流性の雲が集合した「クラウドクラスター(雲塊)」です。特に東側のクラウドクラスターにはニンジンのような形状(風上側から広がる雲列と流されたかなとこ雲)が見られ、発達した積乱雲群であることがわかります。したがって⑧にはクラウドクラスターが入ります。

◇模範解答

① 地点A:寒気移流、地点B:暖気移流
地点B。理由:両地点の風速は同じだが、地点Bの方が風向に沿った水平温度傾度が大きいため。
+3℃/h

◇解説

①等温線は北のほうが温度が低くなっており、A地点は北風、B地点は南南西の風となっているためそれぞれ、A地点は寒気移流、B地点は暖気移流となる。

②温度移流の大きさは風速の大きさおよび水平温度傾度の大きさ(等温線の間隔の大きさ)に依存する。風速はともに30ノットであるため等温線の間隔が狭いB地点のほうが温度移流が強いと判断できる。

③地点Bにて6℃と15℃の間隔を図ると90海里(6mm)となるため、90海里÷30ノット=3h。つまり、15℃-6℃=9℃あげるには3hかかる。よって、+3℃/hとなる。


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