【第62回 気象予報士試験 専門知識】問12 予報精度評価をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第62回気象予報士試験 専門知識 問12を解説します!

この問題は、冬季の最高気温・最低気温の予報について、平均誤差(ME)二乗平均平方根誤差(RMSE)見逃し率空振り率を読み取る問題です。

この問題で重要なポイント

  • MEは予報値の平均的な偏りを見る指標
  • RMSEは誤差の大きさを見る指標
  • 冬日は日最低気温が0℃未満の日
  • 真冬日は日最高気温が0℃未満の日
  • 見逃し率と空振り率は「予報」と「実況」の位置関係で判断する

■ 問題文

図はA地点、B地点における、冬季の日々の最高気温と最低気温について、30日間の実況と予報の分布を示したものである。この図について述べた次の文(a)〜(c)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。ただし、見逃し率および空振り率は全予報数に対する割合とする。

(a)最低気温の予報の平均誤差(ME)に正の偏りがあるのはA地点であり、最高気温の予報の二乗平均平方根誤差(RMSE)を比較して予報精度が良いのはB地点である。

(b)冬日の予報の見逃し率は、A地点の方がB地点よりも低い。

(c)真冬日の予報の空振り率は、A地点の方がB地点よりも低い。

図
(a) (b) (c)

■ 解答

(a)正
(b)誤
(c)誤

■ 解き方の方針

この問題は、散布図から予報精度を読み取る問題です。

横軸が実況、縦軸が予報なので、斜めの線は「予報=実況」を表します。

点が斜め線より上

予報が実況より高い

点が斜め線より下

予報が実況より低い

まずはこの見方を押さえましょう。

■ ME・RMSEとは?

MEとRMSEの違い

ME
= 平均誤差
= 予報が高めか低めかを見る

RMSE
= 二乗平均平方根誤差
= 誤差の大きさを見る

MEは「偏り」、RMSEは「ばらつき・精度」を見る指標です。

MEが正ということは、平均的に予報値が実況値より高いという意味です。

RMSEが小さいほど、実況と予報の差が小さく、予報精度が良いと判断できます。

■ (a)MEが正なのはA地点、RMSEが小さいのはB地点

(a)は正しいです。

最低気温の図を見ると、A地点では多くの点が「予報=実況」の斜め線より上側にあります。

これは、予報値が実況値より高めに出ていることを示します。

つまり、A地点の最低気温予報には、MEに正の偏りがあります。

一方、最高気温の図を見ると、B地点の方が点が斜め線の近くにまとまっています。

A地点よりB地点の方が実況と予報の差が小さいため、最高気温のRMSEはB地点の方が小さく、予報精度が良いと判断できます。

図の読み取り

最低気温A地点

点が斜め線より上に多い

予報が高め

MEは正

最高気温B地点

点が斜め線付近にまとまる

RMSEが小さい

精度が良い

したがって、(a)はです。

■ (b)冬日の見逃し率はA地点の方が低い、は誤り

(b)は誤りです。

冬日とは、日最低気温が0℃未満の日です。

冬日の予報で「見逃し」とは、実況では冬日だったのに、予報では冬日と予報しなかった場合です。

実況:最低気温0℃未満
予報:最低気温0℃以上

冬日の見逃し

図では、横軸が実況、縦軸が予報です。

したがって、冬日の見逃しは、横軸が0℃未満、縦軸が0℃以上の領域にある点です。

最低気温の散布図を見ると、A地点ではこの領域に入る点がB地点より多く、A地点の方が冬日の見逃し率は高いと読み取れます。

ここがひっかけ!

冬日の見逃し
= 実況は0℃未満

予報は0℃以上

A地点の方が見逃しが低いのではなく、A地点の方が高いと判断します。

したがって、(b)はです。

■ (c)真冬日の空振り率はA地点の方が低い、は誤り

(c)は誤りです。

真冬日とは、日最高気温が0℃未満の日です。

真冬日の予報で「空振り」とは、予報では真冬日としたのに、実況では真冬日ではなかった場合です。

予報:最高気温0℃未満
実況:最高気温0℃以上

真冬日の空振り

横軸が実況、縦軸が予報なので、真冬日の空振りは、横軸が0℃以上、縦軸が0℃未満の領域にある点です。

最高気温の散布図を見ると、A地点ではこの領域に入る点がB地点より多く、A地点の方が真冬日の空振り率は高いと読み取れます。

見逃しと空振りを逆にしない

見逃し
= 実況では発生

予報では発生なし

空振り
= 予報では発生

実況では発生なし

真冬日の空振りは、予報が0℃未満、実況が0℃以上の点で判断します。

したがって、(c)はです。

■ 選択肢確認表

選択肢 正誤 理由
(a) 最低気温のMEに正の偏りがあるのはA地点で、最高気温のRMSEが小さいのはB地点
(b) 冬日の見逃し率は、A地点の方がB地点より高い
(c) 真冬日の空振り率は、A地点の方がB地点より高い

以上より、正しい組み合わせはです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 横軸と縦軸を逆に読む

この図では、横軸が実況、縦軸が予報です。

斜め線より上なら予報が高め、下なら予報が低めです。

2. MEとRMSEを混同する

MEは予報の偏りを見る指標です。

RMSEは誤差の大きさを見る指標です。

3. 冬日と真冬日の定義を混同する

冬日は最低気温が0℃未満の日です。

真冬日は最高気温が0℃未満の日です。

4. 見逃しと空振りを逆にする

見逃しは「実況では発生したのに、予報しなかった」場合です。

空振りは「予報したのに、実況では発生しなかった」場合です。

■ まとめ

  • (a)最低気温のMEに正の偏りがあるのはA地点、最高気温のRMSEが小さいのはB地点なので正しい
  • (b)冬日の見逃し率はA地点の方が高いため誤り
  • (c)真冬日の空振り率はA地点の方が高いため誤り

正解は③

(a)正・(b)誤・(c)誤

この問題で必ず押さえたいこと

ME
= 予報の偏り

RMSE
= 誤差の大きさ

冬日
= 最低気温0℃未満

真冬日
= 最高気温0℃未満

見逃し
= 実況あり・予報なし

空振り
= 予報あり・実況なし

予報精度評価の問題では、まず「横軸が実況、縦軸が予報」を確認し、見逃しと空振りを図の領域で判断しましょう。

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第62回 専門知識 問12の解説でした!

訂正・ご意見などありましたら、ぜひコメントで教えてください!
皆で最高の独学環境を作っていきましょう!