【過去問解説】第63回 実技2 問4

2025年11月24日

こんにちは!今回は気象予報士試験 第63回 実技2 問4を解説します!

◇模範解答

① 台風の中心が鹿児島に最も近づく日時:9月20日2時頃(JST)。鹿児島が暴風域に入っている時間の長さ:約8時間
② ㋐ 1時間以内に入る予想、㋑ 明け方、㋒ 非常に強い風、㋓ 未明、㋔ 猛烈な風

◇解説

①台風が鹿児島に最接近する日時と、鹿児島が暴風域に入っている時間の長さを求めます。まず最接近日時ですが、問1(2)で算出した移動速度15ノットを用いて推定します。鹿児島と台風中心の初期距離は問1(3)②で約70海里とわかっているため、15ノットで接近すれば約70/15 ≒ 4.7時間後に最近接となります。初期時刻19日21時に4.7時間足すと、約20日2時40分頃となりますが、1時間刻みの解答なので「20日2時頃」とします(2時前後を含めて差支えありません)。解答例でも「20日2(1)時」と表現されていますが、2時前後という意味合いです。次に暴風域に入っている時間ですが、暴風域半径は約60海里(約110 km)です。台風がこの暴風半径の範囲を通過しきるのに要する時間を計算します。直径は120海里で、15ノットで移動すると120/15 = 8時間となります。従って鹿児島は概ね8時間にわたり暴風域内に入る計算です。以上より、(1)①の答えは「9月20日2時頃、8時間」となります。

②上記の結果および図1を用いて、19日21時発表の台風情報(進路予報)に基づく鹿児島の風に関する防災上の留意事項を完成させます。具体的には、鹿児島が暴風域に「いつ入るか/入っているか」と、風の強さ・時期に関する文章の空欄を埋める設問です。問題文には選択肢や指定があり、㋐は選択肢から、㋑㋓は時間帯表現(府県天気予報で用いる区分)、㋒㋔は風の強さの予報用語を答えるとされています。解答としては以下の通りです。まず㋐「1時間以内に入る予想」:21時の時点で鹿児島はまだ暴風域に入っておらず、約1時間後には入り始める見通しなので、この表現を選びます(選択肢には「既に入っている」「1時間以内に入る予想」「2時間以内に入る予想」「3時間以内に入る予想」が用意されていたはずです)。次に㋑「明け方」:鹿児島が暴風域を抜けるのは20日6時頃で、これは時間帯区分でいうと「明け方(おおむね日の出前後の時間帯)」に当たるためです。そして暴風域に入っている間、吹き続ける風の強さ表現として㋒「非常に強い風」を用います。気象庁の風力階級では平均風速20~30 m/sが「非常に強い風」ですので、暴風(25 m/s以上)域に入っている状態では少なくともこの表現が該当します。さらに㋓「未明」:台風中心が鹿児島に最も近づく時間帯は20日未明(真夜中過ぎから夜明け前)です。2時頃はまさに未明の時間帯に該当するのでここは「未明」となります。最後に㋔「猛烈な風」:最大風速85ノット(約44 m/s)という非常に強い台風でしたから、最接近時には平均風速30 m/sを超える「猛烈な風」が吹くおそれがあります。以上を埋めれば、「鹿児島は、21時の時点では暴風域に(㋐)である。その後、暴風域から抜ける20日の(㋑)にかけては、(㋒)風が吹き、特に中心が最も近づく(㋓)には、(㋔)風が吹くおそれがある。」という文章が完成します。すなわち、「鹿児島は21時時点では暴風域に入っていない状況だが、1時間以内に入る予想。その後20日明け方には暴風域から抜け、暴風域に入っている間は非常に強い風が吹き、特に中心が最接近する未明には猛烈な風が吹くおそれがある。」という意味になります。実際に鹿児島では、台風接近に伴い夜半頃から暴風が吹き荒れる恐れが高いことが読み取れます。このように時間帯と風力の予報用語を組み合わせて、防災上注意を喚起することが大切です。

◇模範解答

299 mm
台風中心が南西から最接近するまで、南東~東から湿った強い風が吹き、地形の影響で降水が多くなるため。

◇解説

①図6(12時間後予想図)に基づき、日本付近で20日9時までの12時間に予想される最大降水量を答えるものです。図6下段には、破線で予想降水量(前12時間降水量)の等量線が10 mm間隔で描かれています。九州南部付近を見ると、“+299”という数字があり、これが予想最大12時間雨量を示しています。したがって答えは299 mmとなります。概ね宮崎県付近に非常に激しい雨の予想が出ていたことが分かります。おそらく地形の効果と台風の湿舌により、局地的に300 mm近い大雨が降ると予測されていたのでしょう。

②上記①で求めた最大降水量が「なぜその場所で予想されているか」を、台風の内側降雨帯・壁雲付近の雨に加え、台風中心とその場所との位置関係に言及しつつ50字程度で記述する問題です。要点としては、「南東~東からの湿った風の吹きつけ」「山地による強制的な上昇(地形性降雨)」「台風の進路に対する風の収束」などが挙げられます。実際、図6下段では宮崎県付近に南東風の強風軸が描かれ、高相当温位の暖湿流が山地に向かって吹き込んでいるのがわかります。宮崎県の北部・中央部には山地(九州山地)がそびえ、湿った風が山に当たって上昇し、大雨をもたらす典型的な地形性降雨の状況です。また台風の中心が南西から近づいてくる進路をとっており、宮崎県付近では台風の東側にあたります。台風の東側は暖湿流が強く、積乱雲が発達しやすい領域です。従って、「台風中心が南西から最接近するまで、南東(〜東)から湿った強風が吹きつけ、地形の影響で降水量が多くなるため」という記述が適切です。これにより、台風本体の降雨( eyewall や雨帯)に加えて、湿った気流が山にぶつかって大雨を降らせることが理由として説明できます。実際の解答例でもほぼ同様の内容が書かれています。ポイントは、台風の進路に対して風上側の山地で豪雨が予想されるという、防災上重要な知見を述べることでした。九州南部では台風接近時、暴風だけでなく局地的な土砂災害や河川増水にも警戒が必要であることを示しています。


◇模範解答

暴風、波浪、高潮

◇解説

19日21時時点で九州南部に発表が予想される警報(大雨・洪水以外)をすべて答える問題でした。気象警報の種類は「大雨」「洪水」「暴風」「暴風雪」「波浪」「高潮」の6種類ですが、このうち大雨・洪水は除外すると明記されています。また特別警報は考慮しないものとあります。9月の台風場面ですから「暴風雪警報」はあり得ません。残る「暴風」「波浪」「高潮」「(大雨・洪水除く)」の4種類から、該当するものを選びます。まず暴風警報は、陸上で平均風20 m/s以上の暴風が予想される場合に発表されます。台風の暴風域に入る鹿児島など九州南部では確実に基準に達するため、当然発表されます。次に波浪警報は、高波・うねりにより重大な災害のおそれがある場合です。台風接近時は沿岸海上で高波が発生するので、こちらも発表が予想されます。高潮警報も、台風による潮位上昇で浸水などの重大災害のおそれがあると予想される場合に発表されます。九州南部沿岸は台風進路の右半円に入り高潮の危険が高まるため、これも発表される可能性が高いです。以上より答えは「暴風、波浪、高潮」となります(いずれも「警報」の語をつけない形式で解答)。実際、台風が接近する鹿児島県では19日21時の時点でこれら警報級の危険が迫っていると考えられ、防風対策・高波への警戒・高潮氾濫への備えが必要だったことになります。なお、問題文の指示通り「警報」という語尾は省略しています。この設問は、防災知識として発表される警報種別を正しく選択できるかを見るものでした。以上が問4全体の解答と解説となります。


以上です!独自解説とAIを組み合わせ解答・解説を作成しています。訂正・ご意見あればコメントやご連絡いただけると幸いです。皆で最高の独学環境を作り上げていきましょう!

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